テレビ番組のディレクターさんから質問がありました
昨晩、以前当院がテレビで紹介された際にお世話になったディレクターさんから当院に電話で質問がありました。
「整体に関しての番組を作っていまして、質問です。
右足が長いふたりがいて同じ脚長差なのに、
バランサーに乗ると右・左で傾くのが違うのはなんでですか」
それについては後ほど解説するとして、普段患者さんよりよくある質問で、1日1回は院の中でお話する内容でお困りの方も多いのではと、今回ブログにまとめてみることにしました。
一般的な足の長さについてのイメージ
私は学生時代に洋服を買い、ズボンの裾詰めで店員さんに
などど言われた経験があり、
「俺の足の長さは骨の長さでも違うのかな」
ぐらいにしか考えていませんでした。
そして社会人となり国家資格である柔道整復師として臨床経験を積む前や、医療機関での研修中でも
「脚の長さの違いってなんだろう」
「生まれつきじゃないか」
「脚の長さの違いや傾きはしょうがないんじゃないか」
と恥ずかしながら思っていました。
しかし「構造医学」という学問に出会い、患者さんに対して本質的・根本的に身体を診ていく臨床機会が増えて、患者さんも自分自身も足の長さの違いや傾きに変化が起きることがわかったのです。
脚長差の本質は骨盤。でも骨盤がどうなってるのか?
今やネット時代。
脚長差の原因は骨盤にありとわかっても、骨盤がどうなってるか具体的に説明しているサイトは少ないようで、またその理由としてはサイトごとにバラバラなようです。
一般的に骨盤がどうなっているのか、なぜそうなっているのか。ここで簡単に書いていきたいと思います。
大まかな骨盤の状態は2種類
左右にある骨盤の一方が上に上がるから骨盤が上がった側の足が短くなる。
と説明を受けたり理解していることも多いでしょう。
では上がった骨盤を下に下げれば、足の長さの違いは改善するのか?というと
臨床上そんなことはなく、人間の骨盤はそんな単純な構造や機能をしていません。
では2種類の骨盤の状態はどういうものかというと・・・
1骨盤の仙腸関節がゆるんでいる
これはどういう状態かというと、普段、足にしっかりと荷重をかけられていない時(歩行不足)や自転車の移動が多く、骨盤をサドルに載せるのため、歩行不足と同様に仙腸関節のゆるみが出るケースが多いです。
足の長さは重心をかけない側なので、「身体が膨張する作用」が働き、反対側の足と比べて太い・むくみやすいなどの特徴があります。
仰向けに寝ると、反対側の足に比べて膝は曲がり、足先は外側に、そしてつま先側に向く傾向が多いのが特徴です。
2骨盤の仙腸関節が噛み込んでいる
これは上の骨盤の仙腸関節の緩んでいる状態とは二分される状態です。
重心をかけやすい・かけている側の足になるので「足の筋肉でなく骨で支える作用」が高まります。
よって「足が反対側に比べて細くなる」のが特徴で、仰向けに寝ると、反対側の足に比べて膝はまっすぐ伸び、足先は内側・天井の方に向かっている傾向が多いです。
そして臨床上、この側の骨盤には
「尻もちをついた」
「膝をついて転んだ」
などの衝撃が入り、骨盤の仙腸関節が噛み込むように傷ついてる場合が確認できます。
骨盤の状態と足の長さの因果関係とは
上に述べた2種類が大まかな骨盤の状態であります。
そして骨盤の本来の動きとは歩くときに画像のように前後方向に回転するように動くのが特徴です。
ではその2種類の骨盤の状態と足の長さのつながりはというと・・・。
骨盤の仙腸関節がゆるむと足が長くなりやすい
構造医学研究所の研究において
荷重がかかっていない骨盤(非荷重)の仙腸関節は、正常な状態より後方に回転(後傾)する応力がかかる(立位において)と記されています。
↓
股関節は前方に移動しようとする
↓
自然と膝関節も前方に曲がるように作用
その状態で体がなじむので、自然と足が長い状態で体を支える→足が長くなる傾向に
と考えられます。
骨盤の仙腸関節が噛み込む側の足は短くなりやすい
上の画像の、膝が伸びている、重心がかけやすい側の足を見てもらえば一目瞭然ですね。
骨盤の仙腸関節が噛み込むようになっている側は、骨盤が正常な状態より前方に回転(前傾)するような応力がかかります。
なぜ同じ脚長差でもバランスが違うのか
ここでテレビ番組のディレクターから質問があったことの私の回答です。
ディレクターの質問
「同じように右足が長い二人が、バランサーに乗るとなぜ傾くのが違うか」
私の回答
「一般的に骨盤の仙腸関節が非荷重(ゆるい)側の足が長くなりやすいんです。
しかし、その方の骨盤の仙腸関節の同側に非荷重と角加速度(噛み込み・短く見えやすい)が混在
する場合、もしくは仙腸関節の噛み込みが長期間に渡ると、その状態を代償して噛み込み(角加速度)側が足が長くなったりという事もあるのです」
としました。電話だったので全く、うまく伝わらなかったと思いますが苦笑
では脚長差はどうしたら改善するのか
以上のことを踏まえて脚長差があるからと言って、靴のインソール・靴の足底で調整するということはなさらないでください。
また、止むを得ず股関節や膝関節の手術をされる方も、事前に当院にご相談ください。
なぜなら、当院は「骨盤から整える」施術を行う過程で「脚長差が整う」実績があるからです。
実際、手術の日が決まっていた方(ヘルニア・股関節・膝関節など)でも、手術を回避して改善したケースもあります。
効果には個人差がありますが脚長差でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
TEL047−341−8216
健美整骨院・整体院 鈴木健史